ロジカル・シンキングの書評 照屋華子 岡田恵子

論理的な思考と構成のスキル

「論理的な思考力」といったような本のタイトルをよく目にします。
50代の会社勤めの私にとって、自分の記憶力と思考力の低下について気になりこの本ロジカル・シンキングを一読してみました。

ビジネスにおいては、顧客、上司、部下、他部門などの利害関係者とのコミュニケーションは必須と言えます。
自分や組織の考えをわかりやすく伝えて、相手に納得してもらった上で成果となります。

この本は自分の考えをまとめたその先の、コミュニケーションにおいて有効な手立て「ロジカル・コミュニケーション」について深く書かれています。
論理的なメッセージを伝えることで、相手を説得できて、期待する反応を得ることができるのです。

この重要性に誰もが頷くものの、これまで体系だった、シンプルで再現性のある論理的思考の技術を学ぶ機会が無かったという人も少なくないでしょう。

そのような人たちにとっての、ロジカル・シンキングの入門書の決定版の一冊です。

書いたり話したりする前の3つのポイント

この本では、論理的にメッセージを伝える大きなポイントが3つ説明されています。

説明する前に「課題」「答え」「相手に期待する反応」を明確にする。

ここでは、自分の主張を相手に伝えるために注意することが重要で、「自分が言いたいこと」ではなく、「課題について相手に伝えるべきメッセージ」を伝えることです。

またここで言うメッセージは、「答え」と「相手に期待する反応」が明白になっている必要があります。
何かを相手に説明する際には、「課題」「答え」「相手に期待する反応」がセットになっていることを確認する必要があります。

ここで課題に対する「答え」として3つの要素が必要となります。
それは答えの核となる「結論」、結論の妥当性を説明する「根拠」、そして、結論が何らかのアクションを示す場合、どのように実行するかという「方法」です。

これら3つのチェックポイントは本の中で詳しく述べられています。
そしてこららを意識することで、結論・根拠・方法がぐっと明快になり、相手を論理的に説得するコミュニケーションが可能となるのです。

このポイントは、論理的思考の技術を学ぶ機会の無かった私にとって新鮮なものでした。
これまで私がメッセージを伝える主な相手は、部門内の社員でしたのでストレートに要望のみ伝えるだけのコミュニケーションで事足りていました。

なぜならば相手は、部門の業務や組織目標を衆知している為、背景となる課題を特に説明する必要も無かったからです。

大きな重複や漏れ、ずれがないと思える議論の土俵を明快に示し、そこに相手を乗せ、理解を促す。

わかりにくく、説得力のない話には、聞き手や読み手から見て「話の明らかな重複・漏れ・ずれ」と「話の飛び」という共通する2つの欠陥があります。

大きな重複や漏れ、ずれがないと思える議論の土俵を明快に示し、そこに相手を乗せ、理解を促す技術であるMECEについて詳しく説明されています。

1つの事柄に対し、さまざまなMECEの切り口から、相手にとって一番わかりやすい切り口を選んで説明できる人こそ、真の説明上手だといえるのです。
それは、相手に自分の結論を理解してもらうという観点から、適切な切り口になっているかを意識することが肝要となります。

伝え手の言いたい結論と根拠、結論と方法とのつながりを、相手に難なく理解してもらう。

この3つ目のポイント「話の飛びをなくす技術」が私にもっとも足りない部分で衝撃的でした。

結論を説明するとき、伝え手はよく「したがって」や「よって」「このように」という表現を使います。

こうした表現の前後で論理の飛躍がなく、伝え手の言いたい結論と根拠、結論と方法とのつながりを、相手に難なく理解してもらうために必要なのが、「So What?/Why So?」の技術です。

「So What?」とは、手持ちの情報やネタの全体から、課題に照らしたときに言える重要なエキスを抽出する作業のことです。
すなわち、「結局どういうことなのか?」を問うことです。

一方、「Why So?」は、「So What?」で出てきた要素の妥当性が、手持ちの情報や材料できちんと証明されることを検証・確認する作業でのことです。
つまり、「なぜそのようなことが言えるのか?」を問うのです。

論理的に構成する技術

論理の基本構造を成立させる3要件
結論、根拠、方法を、漏れ・重複・飛びのない状態で整理できれば、論理的なコミュニケーションの「部品」はそろったことになります。
しかし、相手に結論について納得してもらうには、部品同士の関係性がきちんと把握できる状態になっていないといけないのです。

それには1つの論理構造内のすべての要素は、次の3つの要件を満たす必要があります。

(要件1)結論が課題の「答え」になっている:論理構造のピラミッドの頂点に置くべき結論が、課題に合致していることを確認します。

(要件2)縦方向に結論を頂点としてSo What?/Why So? の関係が成り立ちます。

(要件3)横方向に同一階層内の複数の要素がMECEな関係にあります。

まとめ

この本は、論理的にメッセージを伝えるためのポイントが凝縮されています。
そのポイントとは、話の重複や漏れ、ずれをなくす技術「MECE」と、話の飛びをなくす技術「So What?/Why So?」です。

これらの技術を習慣づけることによって、論理的思考力・表現力が飛躍的に向上するはずです
また図表を使って論理的に説明する練習など、多数のトレーニングが収録されています。

論理的な思考力・表現力の土台を身につけたいと考える新入社員や若手社員、ロジカル・シンキングが体得できているかおさらいしたい方に、おすすめしたい一冊です。

この記事でわかり難い箇所等がありましたら何なりとご質問ください。またご要望にもお応えできるよう尽力いたします。

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