同一案件の受信メールへそれぞれ同じ内容の返信をしなければならないことがあります。
返信内容はコピペで対応できますが宛名については、手入力で対応しなければなりません。
あまりにも数が多い場合は、宛名を省略してしまうこともあります。
宛名入りで自動で返信メールを作成するマクロを作成しましたので紹介します。
定期的にこのような返信をしている方はこの記事の内容がとても有効だと思います。
目次
手入力による返信メールについて
複数の人へメールで依頼や要望等をした場合、その回答メールに対して一つ一つお礼等のメールを出すことがあります。
1、2通のお礼のメールであれば作成も容易に済みますが、それ以上になると定型文をコピペで対応したくなります。
たとえコピペであっても複数の返信メールを一つ一つ作成するのは結構手間が掛かります。
またコピペ作業でミスが発生することもあります。
以下のような定型の返信メールをワンクリックで作成するOutlookのマクロを作成しました。
—
山田さん
おつかれさまです。
早速ご回答いただきましてありがとうございます。
貴重なご意見をいただき、とても助かりました。
今回いただいた意見を生かし、しっかりと営業活動に利用させていただきます。
今後ともよろしくご指導のほどお願い致します。
営業部 佐藤
2つの返信メール作成マクロ
返信内容が常に決まっている定型文の場合と決まってない場合の2種類作成しました。
1.返信メールの先頭へ「宛先+定型文」を挿入します。
例:○○さん
以下、定型文が挿入されます。
2.返信メールの先頭へ「宛先+クリップボードの内容」を挿入します。
例:○○さん
以下、クリックボードの内容がペーストされます。
返信メール作成マクロの宛先自動入力
選択したメールが以下の場合、宛先が自動入力されます。
1.アドレス帳の連絡先にメールアドレスと姓が登録されている
2.アドレス帳の連絡先に登録されていなくても、表示名が一定のパターンになっている
社内メール等、表示名の姓が”/”と” “に挟まれている場合
例:taro yamada/山田 太郎 ○経理部□会計
これら以外のメールにいては、宛先は入力されませんのでメールを送信する前に手入力してください。
Outlookの設定方法
・マクロを起動できるセキュリティレベルの設定
ファイル→オプション→セキュリティセンター→セキュリティセンターの設定→マクロの設定
「すべてのマクロに対して警告を表示する(A)」を選択しOKをクリックします。
・マクロを起動するボタン設定
クイックアクセスツールバーのユーザー設定→その他のコマンド
すべてのコマンドから「マクロの表示」を選択し追加ボタンをクリックしOKをクリックします。
・アドインの有効化
ファイル→オプション→アドイン→設定
COMアドインが図のようにチェックが付いてない場合、チェックして有効化します。
・開発タブの有効化
ファイル→オプション→リボンのユーザー設定
メインタブ内の開発のチェックボックスにチェックしOKをクリックします。
返信メール作成マクロの設置方法
開発タブ→Visual Basic→Project1→Microsoft Outlook Objects→ThisOutlookSession
マクロのスクリプトをコピペします。ダウンロード⇒OutlookReply
挿入→ユーザーフォーム
UserForm1が挿入できていることを確認します。
ファイル→終了してMicrosoft Outlookへ戻る
Visual Basicを終了してOutlook画面の表示へ戻ります。
返信メール作成マクロの修正方法
定型文の修正
以下の箇所のメッセージを修正してください。改行箇所はvbNewLineを入力します。
★メッセージ本文を記述してください。
Const MESSAGE_BODY_TXT = "" & _ vbNewLine & _ vbNewLine & _ "おつかれさまです。" & _ vbNewLine & _ vbNewLine & _ "早速ご回答いただきましてありがとうございます。" & _ vbNewLine & _ "貴重なご意見をいただき、とても助かりました。" & _ vbNewLine & _ vbNewLine & _ "今回いただいた意見を生かし、しっかりと営業活動に利用させていただきます。" & _ vbNewLine & _ vbNewLine & _ "今後ともよろしくご指導のほどお願い致します。" & _ vbNewLine & _ vbNewLine & _ "営業部 佐藤"
「全員に返信」へ修正
マクロは、Outlookの「返信」ボタン操作で返信するようになってます。
これを「全員に返信」ボタン操作で返信するように変更する場合は、①の箇所を修正してください。
' Set msg = objItem.ReplyAll 元のすべての受信者に対する返信を作成・・・① Set msg = objItem.Reply '元の送信者に対する返信を作成 ・・・①
Cc,Bccへの設定
CcまたはBccへ決まったアドレスを入力する場合は、②の箇所を修正してください。
' CCにメールアドレス挿入 ・・・② ' msg.CC = "ssss.tttt@uuu.com" ' BCCにメールアドレス挿入 ・・・② ' msg.BCC = "vvvv.wwww@uuu.com"
Subjectの修正
Subjectを修正する場合は、③を修正してください。
' Subjectの変更 ・・・③ ' msg.Subject = "<mmmmmmm>" + msg.Subject
表示名から苗字を取り出す箇所の修正
苗字を取り出すのに、’/’と’ ‘(苗字と名前の間のスペース)を検索する箇所④を修正してください。
' ******************苗字取り出し********************** ・・・④ ' 電子メールアカウントの名前 会社固定:xxxx yyyy/苗字 名前 所属 S1 = 0 S2 = 0 Reply = "" S1 = InStr(msg.To, "/") If S1 > 0 Then S2 = InStr(S1, msg.To, " ") '返信メールの先頭へ名前を挿入 If S2 > S1 Then Reply = Mid(msg.To, S1 + 1, S2 - S1 - 1) & "さん" & vbNewLine & vbNewLine End If End If ' ******************苗字取り出し**********************
返信メール作成マクロの使い方
-
- 返信したいメールを選択します。(複数可能)
- クイック起動バーの「マクロの表示」ボタンをクリックします。

-
- Microsoft Outlookのセキュリティに関する通知画面が表示されましたら、「マクロを有効にする」ボタンをクリックします。

-
- マクロ画面の「クリップボード返信」または「定型文返信」を選択し実行ボタンをクリックします。
クリップボード返信を使用する場合は、予め定型文をクリックボードへコピーしておく必要があります。
- マクロ画面の「クリップボード返信」または「定型文返信」を選択し実行ボタンをクリックします。

-
- セキュリティメッセージ画面が表示されましたら、アクセスを許可する時間にチェックして許可ボタンをクリックします。

- 作成された返信メールを確認して送信ボタンをクリックします。
まとめ
返信メールを作成するマクロを2つ紹介しました。
1つ目は、マクロ内に設定した定型文を返信メールの本文にするマクロ
2つ目は、クリックボードの内容を返信メールの本文にするマクロ
宛名は、アドレス帳のメールアドレスと共に設定されている姓の欄を使用します。
メールアドレスがアドレス帳に無い場合は、送信者のメール表示から姓を設定します。
送信者の姓を取り出せない場合は、宛名は入力されませんので手入力します。
コメントを残す